【演技の棒読みを改善する方法】役者によくある4つの原因と改善策

【演技の棒読みを改善する方法】役者によくある4つの原因と改善策

こんにちは、役者&ブロガーのシカ子です。

今回は、

演技が棒読みになってしまう原因と改善策

についてまとめてみました。

 


セリフの棒読みってどうやって改善できるんだろう・・・?

自分では工夫しているつもりなのに棒読みと言われてしまう。

お芝居を始めたら、こんな壁に突き当たる人って多んじゃないでしょうか?

 

実際に私も、お芝居を始めたころの映像を見返してみたのですが・・・

めっっっちゃ棒読み!!

と、衝撃を受けた記憶があります icon-tint 

 

当時の自分は、すごい頑張っているつもりだったんですが・・・(^^;)

一生懸命頑張って演技したのに「棒読みだね」の一言でダメ出しが終わったら悲しすぎますよね。

 

そこで今回は、役者にありがちな4つの原因と改善策についてまとめてみました。

 今後の参考になればと思います♬




演技が棒読みになってしまう原因4つとその改善策

セリフが棒読みになってしまう理由は1つだけではなく、色々な要因があります。

理由とそれぞれの改善策について、私なりに考えてみました✨

「自分はなぜ棒読みになってしまうのか?」

あなたの近いものに合わせて参考にしてみて下さい(^^)

棒読みになる原因4つ

恥ずかしい

セリフを言うことが演技だと思っている

自分の言葉として言えない

状況や背景に納得できていない

それぞれ詳しく解説していきますね。

 

棒読みの原因・改善策①:恥ずかしい

お芝居を始めたての頃は「恥ずかしい」という気持ちは誰しもあるのではないでしょうか?

演技では、絶対に普段自分が言わないようなセリフを言うこともありますよね?

ロミオ:君の小鳥になりたい。

ジュリエット:そうしてあげたい。でもかわいがりすぎて殺しちゃうわ。

「ロミオとジュリエット」より

 

は、恥ずかしすぎる・・・。

こんなセリフを言ってる自分、冷静にみたら恥ずかしくなります(笑)

 

あとは、上手くできなかったら恥ずかしいとか、頑張ってる自分が恥ずかしいとか。

とにかく「恥ずかしい」という気持ちがあると、自分をごまかしたくなって、気持ちがのらなかったり、棒読みになってしまうことがあります。

 

改善策

「恥ずかしい」から抜け出すには・・・?

ずばり「慣れる」が一番です。

こればっかりは、お芝居に触れる回数を増やしたり、たくさん稽古をして、慣れていくしかないと思います(^^;)

 

むしろ、お客さんからしたら、恥ずかしそうにやってる人を見てる方が恥ずかしいです(笑)

ひらき直る。自分を信じる。堂々とする。

 

演技って、突き詰めたら「嘘」ですよね。

嘘でも、本人が信じて堂々としていれば、お客さんには本当のように見えます。

逆に演じる本人が、その嘘を信じられずにいたら?

お客さんにはすぐに見破られてしまいます。

 

役者は嘘つきです。(いい意味で)

その嘘を心から信じて、見ている人を楽しませるのが仕事です✨

 icon-hand-o-right 「恥ずかしい」の改善策

 icon-check-circle 恥ずかしそうに演じてる人を見る方が恥ずかしい!

 icon-check-circle 慣れる、嘘を信じて開き直る!

 

棒読みの原因・改善策②:セリフを言うことが演技だと思っている

演技=セリフをしっかり言うこと

と思っている人にありがちな原因です。

そういう人は、演技をする時に、台本に書かれているセリフを言うことが一番の目的になってしまいます。

 

演技というのは、セリフが全てではありません。

役者の表情、呼吸、間、身体の動き、セリフなどいろいろな要素から「その人物の考えていることが分かる」のが良い演技です。

 

つまり、

セリフは、演技の一部にすぎない

ということです。

 

このことを忘れて、セリフを言うことに意識が向きすぎると、相手のセリフも聞けずに、一人だけ浮いた芝居や、棒読みになりやすいです。

 

改善策

「演技=セリフを言うこと」という思い込みをなくす

文字通りに言わない

 

例えば

・「いや、そういうこと言ってるんじゃなくてさ。」

・「あ!やばい!ちょっと待って。」

・「あぁ。あの人ね。」

こういうセリフ、あなたならどう言いますか?

ちょっと口に出して言ってみて下さい。

 

書かれてる通りに、50音でしっかり発音すると、それだけで棒読みっぽくなります。

なるべく普段っぽく、棒読みにならないようにするには、喋り言葉に崩すこと。

ちょっと文字にするのが難しいのですがこんな感じです。

「いや、そういうこと言ってるんじゃなくてさ。」

➡「いやぁ、そーゆうこと言ってんじゃなくてさぁ。」

「あ!やばい!ちょっと待って。」

➡「あ”っ!やば。ちょ、待って。」

「あぁ。あの人ね。」

➡「あーー、あの人ねぇ。」

あくまで例なので、これが正解ということではないですが。

日常では自然に使っている「あ!」や「あぁ」「いや」なども、セリフになってると、なぜか読んじゃうんですよね icon-tint 

 

普段の自分はどう話しているか意識してみると、この感覚が分かってくると思います(^-^)

 icon-hand-o-right セリフを「読んでしまう」人の改善策

 icon-check-circle 「演技=セリフを言うこと」という思い込みをなくす

 icon-check-circle 文字通りに言わない

 

棒読みの原因・改善策③:自分の言葉として言えない

本来、セリフというのは「今、その人物が思いついたかのように、自然に発せられる」というのが理想です。

だけど、普段自分が使わないような言い回しで書かれたセリフもありますよね。

・「拙者、○○でござる。」

・「あら、そこにいるのはどなたかしら?」

・「今こそ立ち上がる時じゃ!」

ちょっと読んでみるだけでも

なんか、ぞわぞわする!

ってなりませんか(笑)?

 

古典や時代劇でなくても、普段使わない語尾

「~なのよ」

「~だぜ」

なども、人によってはムズムズするかもしれません。

こういった違和感や気持ち悪さが少しでもあると、自分の言葉として処理できず、心が伴わないので棒読みになりやすいです。

 

改善策

こういう時に私がよくやるのは、

一度自分の普段の話し方でセリフを言ってみる

ということです。

「あら、そこにいるのはどなたかしら?」

➡「え?そこにいるの誰?」

みたいな感じで。

 

そうすると、そのセリフの「思いの部分」がスッと自分に落とし込めます。

その感覚をキープしたまま、元のセリフを発してみると、結構すんなり自分の言葉として自然に話せるので、棒読みになりにくいです✨

 

あとは、役作りの一環で、普段からその役、人物の話し方を意識して生活するのも良いですね。

バイト中、独り言、友達との会話など「この役なら、こんな時どう言うかな?」と考えてみると、結構面白いですよ(^^)

棒読み改善だけではなく、役の理解度も深まります♬

 icon-hand-o-right 自分の言葉にできない時の改善策

 icon-check-circle 一度普段の話し方でセリフを言ってみる

 

棒読みの原因・改善策④:状況や背景に納得できてない

台本に書かれていても

「なぜ今こんなこと言うんだろう?」

と自分の中での疑問、納得いかない部分がある時も、どんな風に言えばいいか分からず棒読みになることがあります。

私の場合、初見の本読みの時など、意図の分からないセリフは「??」となって、棒読みになります(笑)

 

極端ですが

A太:君が好きだ!

B子:私はあなたが嫌いよ。

A太:僕も嫌いだ!

~2人強く抱き合う~

とか書かれていたら、読んだだけでは「???」ですよね(笑)

好きなの?嫌いなの?ってなります。

 

でも、人間は常に本当のことしかを言わないということはありません。

そのセリフの裏にある思いを理解しないと、言えないセリフはたくさんあります。

そこを理解できていないと「この人セリフ言ってるだけだなぁ。棒読みだなぁ。」と思われてしまいます。

 

あとは、自分の知識が追い付いていないセリフ(専門用語など)も棒読みになりがちなので気を付けましょう。

 

例えば・・・


今からアナムネとって、そのあとカンファ行ってきますね!

 

私も詳しくないですが、医療用語で

・アナムネ→問診(アナムネーゼの略)

・カンファ→会議的なもの(カンファレンスの略)

らしいですよ!

 

こういう専門用語は使い慣れてないとすぐバレます icon-tint 

専門用語の多い役の時は、特に気を付けましょう。

 

改善策

自分がうまく言えないセリフ、棒読みになるセリフがあったら、それっぽい言い方をして逃げるのでは、一向に成長できません。

「なんでこのセリフしっくりこないんだろう?」

と考えてみることが大切です。

その役の置かれている背景や状況を、自分なりに解釈して「こういう思いを含めば言えるかも!」というところまで落とし込みます。

 

そして、それが正解か不正解かは分からない時も、一回決めつけてやってみることです。

その上で、演出や監督が「そこはこういうニュアンスにしてくれる?」ということもありますが、最初のステップはその役を演じる本人が納得できるかが重要です。

 

専門的なセリフが多く、知識不足で棒読みになる場合は、本やネット、映画などで、理解ができるまで勉強しましょう icon-thumbs-o-up 

役者本人が、セリフの意味を分かっていなければ、見ている人にも伝わるわけないですよね icon-tint 

分からないセリフを放置しないことが大切!

 icon-hand-o-right しっくりこない台詞がある時の改善策

 icon-check-circle 放置しないこと。

 icon-check-circle 「どんなニュアンス、背景があれば納得して言えるか」を自分なりに考えて、まずはやってみる。

 

【おまけ】演技力UPに役立つおすすめの本3冊

①発声と身体のレッスン

鴻上尚史さんシリーズで、演技初心者も、経験者も読んで損はない身体訓練の基礎本!

 icon-check-circle そもそも「正しい声」「正しい体」とはなんなのか?

 icon-check-circle 演技をする上で重要なリラックスした状態の身体

そこにアプローチするための方法が分かりやすくまとめられています。

 

身体訓練って地味な作業ですが、やっている人とやっていない人では、演技をした時に大きな差が生まれます!

何事も「基礎」が重要なので俳優を目指す人は、まず読んでおきたい一冊です。

 

 icon-comments この本の詳細はこちら

 

②演技と演出のレッスン

演技で悩んだ時に、一度は読んでほしい!

「知識」と「実践」の両面からのアプローチで、俳優の技術「感じること」「考えること」のバランス感覚を養うことができます。

 icon-check-circle 「演技力」ってそもそもなんだろう?

 icon-check-circle 表面的な演技から抜け出すには?

 icon-check-circle 演技力を上げるために、具体的にどんなレッスンをしたらいいの?

スタニスラフスキー・システムをベースに、作者の鴻上尚史さんがアレンジを加えたレッスンが、全部で18コ紹介されています。

 

演劇部やワークショップでの、シアターゲームやレッスンを探している方にもおすすめです。

 

 icon-comments この本の詳細はこちら

 

③魂の演技レッスン22

著者は、アメリカの演技指導の第一人者として活躍した「ステラ・アドラー」です。

語り口調で書かれているので、まるでステラ・アドラーの授業を受けているかのような、臨場感のある本です。

 icon-check-circle 役者として、どのようにものを見るべきか?

 icon-check-circle 日頃からどう生きるべきか?

 icon-check-circle 役作りとは?

 icon-check-circle なぜスケールの小さな役者におさまってしまうのか?

など、厳しくも熱い、愛のある言葉が胸に刺さる本です。

演技に行き詰ったときに読み返したい一冊。

 

 icon-comments この本の詳細はこちら

 

まとめ:棒読みの原因を知って少しづつ改善していこう!

今回は「演技が棒読みになってしまう原因と改善策」についてまとめてみました。

 

ちなみに、棒読みを改善するために

 icon-check-circle ここで息をして

 icon-check-circle このセリフで盛り上げて

 icon-check-circle ここは音を上げよう・下げよう

などと、かっちり決めてセリフを作り込んでいくのは、私はあまりおすすめしません。

声優さんのように「声だけ」で表現しなければいけない仕事なら、その工夫は必要ですが。

 

普段、私達が会話する時に

「ここで息するぞ~!」

「このセリフで半音上げよう」

など意識しながら話さないですよね?

その意識を働かせながら、お芝居をしていること自体が、私は「不自然な演技・棒読み」に繋がると思っています。

役者の場合は、心と身体、セリフが一致してることが重要。

 

もちろん、自然なだけだとつまらない芝居になってしまうこともあるので、自分の表現の幅を広げるために、色々な人の話し方を意識してインプットしておくことも大切です✨

先輩、上司、先生・・・など。

身近な人を観察してみて下さい。

あと、街頭インタビューでされてる人の喋り方とか。

意外と現実世界は、変な喋り方の人もいるので面白いですよ(笑)

そういうところから、色々吸収して、棒読みを改善していきましょう(^-^)

 

\ 今回紹介した演技本 /

 




最後まで読んでいただき
ありがとうございます

これからも役者に役立つ情報発信をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします

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