【即興劇のコツ】アドリブ演技の苦手を克服する方法!現役の役者が紹介
- 2021.03.19
- 2022.03.23
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こんにちは、役者&ブロガーのシカ子です。
今回は、
・アドリブ演技の苦手意識を克服する方法
・即興劇のコツ
というテーマで記事を書いていこうと思います!
最後におまけで、アドリブが上手く見えるちょっとしたコツも紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね✨
この記事を書いている人 : シカ子
あなたは即興演技って得意ですか?
苦手ですか?
私は昔「アドリブでやってみて」と言われるのが大嫌いでした(笑)

役者なんだから、台本にある台詞を言うのが仕事でしょ??
なんでわざわざ即興でやらなきゃいけないの?
と思ってました(笑)
そんな私も、今では即興が大好きで、やっていて楽しいと思えるようになりました🎵
なぜ私が、即興劇が嫌いだったかというと
自由
何を言っても良い
正解がない
からです。
それが良いところなんですけどね(笑)
自由だからこそ、何を言ったら良いかわからなかったし、目的が見えなくて苦痛でした。
でも、15年以上お芝居をやってる中で
即興といっても色んな種類がある
その時のシチュエーションで求められる即興の傾向は違う
即興劇を少し上手に見せるコツ
などを理解できたので、今は心に余裕を持って演じることができるようになりました(^-^)
あくまで私なりの考えですが、苦手意識を持っている方の参考になれば幸いです。
即興演技への苦手意識を無くすには?
台本には書かれていないことを、自由に演じていいのが「即興演技」になるわけなんですが、苦手な人の多くは、昔の私みたいに
何を言ったら良いか分からない
正解がわからない
アイデアが浮かんでこない
言葉に詰まって結局話せずに終わる
というパターンが多いんじゃないかなぁと思います。
あと、何を言ってもしらけて終わる、なぜかウケない、すべりまくったことがトラウマ・・・💧
なんて人もいるかもしれないです。
即興を少しでも楽にするためにおさえておきたいポイントは
この即興芝居の目的・求められていることを理解する
その役のシチュエーションを設定する、理解する
ということです。
まだちょっと漠然としているので、よくあるパターンに沿って具体的に説明していきますね(^^)
即興演技の種類・目的・コツ
よくある即興を求められるシーンというのは大きく4つくらいかなと思います。
❶ 設定のみが与えられた即興劇
❷ 決まった台本がある上での即興稽古
❸ 撮影本番におけるアドリブ
❹ オーディションでの即興演技
それぞれで求められるアドリブの方向性も変わってくるので、それぞれのポイントを抑えつつまとめていきたいと思います。
①設定のみが与えられた即興劇
設定のみが与えられた即興劇は、表現力を引き出すレッスンとして、ワークショップで取り入れられたりすることが多いです。
あとは、そのまま見せ物として即興で公演を打つような団体もありますよね。
基本的に台本はありません。
そんな時におさえておきたいポイントは「私がお客さんだったらどんなものが見たい?」を考えて、自分が脚本、演出、役者を全部やる意識を持つこと。
「楽しませよう✨」というサービス精神は忘れないようにしてほしいです。
というのも、いくら自由だとしても
役者がダラダラ喋ってるだけ
目的が見えない意味のない会話
ずっと同じことがループされる
ストーリに展開がないまま終わる
というパターンは、見てる側が退屈で「今何見せられてるの?」ってなっちゃうからです。
即興劇が単調にならないコツ
①最初の入りを特に意識する
とにかく、1番最初の入口で世界観をしっかり見せることで、その後の即興がラクになります。
「よーいスタート!」で、ただ立ってるだけ、ただ座ってるだけ、ただ歩いてくる、ただ向き合って喋ってるだけ。
こういった入り方は1番展開させにくいし、観ている人も惹きつけられません。
もちろん、慣れてくれば色んな手法もあると思います。
でも苦手意識がある人、初心者の人こそ、入りの段階で「その人物のおかれた状況」が伝わるようなポーズから入った方が楽です。
アイデア勝負です!
②だれてきたら事件を起こす
単調になってきたな、同じことただ繰り返すだけになってきた。
そういう場合は何か事件を起こすことで物語が転がります。
大きな事件じゃなくてもいいです。
雨が降ってきてた、急にお腹が痛くなったとかでもいいので、流れを変えて飽きさせないように工夫をしましょう。
【①②を組み合わせた例】
腹筋しながら「1800…1801…1802」などカウントから入る
→めちゃ筋トレしてるじゃん!って引き付けられるし、ここはジムかな?ってイメージしやすい。
そのままずっと筋トレしながら芝居続けるだけでも、日常会話をしてるだけなのに動きが作りやすい。
さらに、足がつったとか、疲れて動けなくなるとか、自然に展開を変える事件がおこしやすい。
めっちゃスローモーションで追いかけっこをし始めて、見ている人に「何かな?」と思わせる入りをして「宇宙」だったっていう非日常シチュエーションで展開していく。
→非日常のシチュエーションだと、案外何しても良くなるので、宇宙戦争が始まるとか、突発的な事件も起こしやすくなる。
これは、あくまでなんとなく思いついた例です。
とにかく、即興劇では「入口をどうするか?」そこに全神経を集中させること。
始めたらあとは流れでなんとかなるというのが私の持論です。
入口のアイデア、シチュエーションは日頃から映画とかをみて、好きなシーンを引き出しにしまっておくといいんじゃないでしょうか(^^)
②決まった台本がある上での即興稽古
2つめは、台本がすでにあって、自分の役も決まっている中で即興が求められるシーンです。

台本に書かれているシーンの前後を、どんなやりとりがあったのか即興でやってみましょう。

この最後のセリフは毎回アドリブでお願いします。
など、役の延長でアドリブが求められることってありますよね。
この場合は「自由な発想」よりも
「どれだけその作品の世界観や、役を理解できているか、落とし込めているか」
ということの方が大切です。
即興の部分だけ、急にその役者の素でやられたら?
観ている人もしらけますよね💧
経験のある方なら分かるかと思いますが「役」として即興で演技を続けるのって、結構難しいんです。
その役がどんな人間なのかを落とし込めていないとできないことです。
この人物ならこの状況になったらこう言うかも
この人物ならこんな行動もする可能性があるな
こんなリアクションするだろうな
など、準備段階でしっかり落とし込んでおくことで、アドリブでも世界観を壊さずにストーリーを続けることができます。
台本に書かれているシーンは、その役の一瞬が切り取られているだけです。
なので、台本がある中で求められるアドリブの場合は「どれだけその役者が、その作品、その役について準備できているか」がポイント。
アドリブといいつつ、しっかり準備が必要になってくるということですね。
③撮影本番におけるアドリブ
撮影など、本番中にもアドリブを求められることはあります。
例えば、
台詞がおわったけどカットがかからないので、アドリブでシーンを続ける。
台本には書かれていないリアクションや台詞を即興で足す。
などですね。
台本がある場合は、②で説明したように、その作品の世界観、役の人物設定を壊さないようにするのは基本です。
その上で「このアドリブは何を求められているのか?」を瞬時に察する力が必要です。
ナレーションを入れるための尺が欲しいからカットをかけないのか?
→いまの空気を壊さずに即興で続けてみよう。
カットをかけずに、役者をギリギリの状態に追い込んで、そこから生まれる何かを撮りたいのか?
→あの手この手で、空気をぶち壊すような攻めのアドリブを繰り出していった方がいいかも。
予定調和を崩すために、アドリブを入れて新鮮さを保ちたいのか?
→毎回同じアドリブにならないように色々なパターンをやってみよう。
などなど、それによってどんなものが求められるかは変わりますよね(^_^;)
こればかりは、ケースバイケースです。
監督の趣味、どんな画が欲しいのにもよります💧
なので、一言で「アドリブで!」といえど、その時々で求められるものは変わってくるということを理解しておくようにしましょう。
④オーディションでの即興演技
オーディションでも、即興演技を求められることがあります。
設定だけ与えられて即興で演技。
→合コンに来てるという設定で、あとはみんなで自由にやってみてくださいとか。
台本はここまでですが、この先はアドリブでやって下さい。
など。
事前に台本がある場合は「ちゃんと台本を読み込んで世界観や役について考えられる人かな?」というのも、もちろん判断基準です。
あとは、オーディションの短い時間で「その役者がどんな人なのか?」を知るために、即興を入れたりしてるんじゃないかなぁと私は考えています。
オーディションの場合は、アドリブを通して、その人らしさを見ていることがあるので、上手にお芝居することにこだわらず
即興部分は「自分らしさ」をアピールするチャンス✨
と考えた方がいいと思います(^^)
また、審査員の人は、何十人、何百人と審査しているので、そんな中で記憶に止めてもらえる工夫も必要です。
なので、私はオーディションでの即興演技は「審査員を楽しませよう・惹きつけよう」という思いで、最初に説明した
最初の入りを特に意識する
だれてきたら事件を起こす
という2点を意識するようにしています。
【おまけ】即興演技が上手く見えるちょっとしたコツ
最後に、私が考える「即興が上手く見えるちょっとしたコツ」が1つあるので紹介しようと思います。
それはズバリ
「セリフで説明しすぎない」
ということ。
即興劇となると、不安からか、やたら説明してしまったり、ずっとしゃべり続けてしまう人が多いように感じます。
例えば、浮気を問いただす彼女と、ばれないように言い訳をする彼氏という設定だとします。
説明しすぎる、喋りだけで展開させていこうとするパターン【NG】

○○君。浮気してるでしょ?
こないだ駅前で、同じクラスのゆみちゃんが、女の子と歩いてるの見たって言ってたんだけど・・・。
確かあの日はバイトって言ってなかったっけ?
どういうことなの?

何言ってるんだよ。
見間違いじゃないの?
俺はその日はバイトしてたよ。
浮気なんかするわけないよ!

嘘。浮気してる!
じゃあ、ゆみちゃんが見たのは何だったの?
説明しなさいよ!

見間違いだって!
あ、水曜日か~。
そうだ!その日ちょうどバイト後に妹に呼ばれたんだった~!
説明をなるべく省きつつストーリーを展開させていくパターン【OK】

○○君。
そういえば・・・水曜ってなにしてた?

え?バイトしてたかな~。

ふ~ん。
・・・沈黙・・・

○○駅、行ったりした?

え?

いや・・・、ゆみちゃんから写真送られてきたんだ~。
スマホの写真を見せる

・・・
・・・沈黙・・・

これ、誰?

あ!そうだ!
妹と会ってたんだった~。
ハハハ、忘れてた~!
「浮気」というワードは使っていませんが、シチュエーションが何となくイメージできますよね?
後者の方が、よりリアルな感じもあると思います。
セリフだけで展開させようとすると、全部説明されちゃって、見てる人が想像する余地がなくなります。
「次何が起こるんだろう?」というワクワク感も半減してしまいます。
面白いアドリブや、この人アドリブ上手いな~と思わせるコツは、
言葉で説明しすぎず、想像させる間(沈黙など)をうまく使うこと
だと思います。
ぜひ即興演技をする時には意識してみて下さい(^-^)
まとめ
今回は
・アドリブ演技の苦手意識を克服する方法
・即興劇のコツ
ということで、私なりにまとめてみました。
まず「即興」といっても色々なシーンで、求められるものは変わってくるということを理解することが大切かなと思います。
求められていることが見えてきたら、
何を言ったら良いか分からない
目的が見えない
ということも減ってくるし、的外れなアドリブで空回ってしまうということも少なくなるんじゃないかなと思います。
今回はあくまで私なりの考えではありますが、少しでも参考になれば幸いです(^-^)
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最後まで読んでいただき
ありがとうございます
これからも役者に役立つ情報発信をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします♥
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