役者が読むべき一冊「演技と演出のレッスン」演技に迷った時におすすめ!
- 2021.06.08
- 2022.03.23
- 演技レッスン・練習方法
- 本, 演技

こんにちは、役者&ブロガーのシカ子です。
今回は、演技力をUPしたい人におすすめの本
「演技と演出のレッスン」
について紹介していきたいと思います。

もっとお芝居が上手になりたい!
でもどうしたらいいかよく分からない。

魅力的な俳優になるためには、具体的にどんなことを意識して、どんな練習をしたらいいんだろう?
なんてお悩みの方には、是非一度よんでもらいたい一冊です✨
中でも、
なんとなくお芝居はできてるような気はするんだけど「これでいい!」って確信が持てないまま役者を続けている
表面的な演技になってる気がする
いつも同じような演技になってしまう
というような、モヤっとを感じている人には、とても参考になる一冊です。
この本を読むと、
「なんとなく」「それっぽい」演技に逃げることなく、もっと深い演技へのアプローチ方法が分かるようになる
俳優の技術「演技力」を磨くための具体的なレッスン方法がわかる
ようになります(^-^)
今以上に演技力を向上させたい方は、ぜひ一度読んでみてください✨
「演技と演出のレッスン」この本の著者は?
著者は、鴻上尚史さん。
作家、演出家さんで、早稲田大学在学中に「第三舞台」の旗揚げをし、小劇場の第一線を担ってきた方です。
受賞歴
1994年「スナフキンの手紙」岸田國士戯曲賞受賞
2010年「グローブ・ジャングル」読売文学賞戯曲賞

現在も、舞台やテレビ、ラジオ、コラムなどマルチに活躍されています!
「演技と演出のレッスン」に書かれていること
この本は、スタニスラフスキー・システムをベースに、作者の鴻上尚史さんがアレンジを加えたレッスンが、全部で18コ紹介されています。

といっても、スタニスラフスキーを知らなくても理解できるのでご安心下さい♬
全てを紹介できないので、個人的に「ここは押さえておきたい!」という2点をピックアップしてみました。
❶ 俳優の技術「演技力」とはなにか?
❷ 与えられた状況を知る
それぞれ詳しく説明していきますね。
①俳優の技術「演技力」とはなにか?
鴻上尚史さんは、この本の冒頭で「俳優は技術職である」と言っています。
そして、俳優の技術とは「演技力」ともいえます。
この本では「俳優の技術」について、このように説明されています。
「感じること」「考えること」のせめぎ合いを、ぎりぎりコントロールすること。
それが、一番、感動的な演技なのです。
俳優は的確に「考え」ながら、深く「感じ」ることが必要です。
的確に考えることと、深く感じることは、それぞれに集中すればするほど両立は難しく、矛盾・対立することになります。
矛盾するこの二つを、高いレベルで共存させることが、俳優に求められる技術なのです。
これが、俳優に求められる一番根本的な「技術」です。
(もちろん、他にも様々な「技術」があります。ですが、これが一番基本だと僕は思っているのです)。
引用:「演技と演出のレッスン」p.16
これって、お芝居をしたことがある人は「わかる~!!」ってなるんじゃないかと思います。
頭で考えすぎて、相手のセリフを受けられなかったり、心が全く動かないままセリフだけ喋っている。
気持ちのままでやりすぎて、カメラから外れてしまう、同じお芝居が繰り返せない。
「考える」と「感じる」の両立は本当に難しいですよね💦
この本では、
演技をする時、台本をもらったら、俳優はなにを「考え」ればいいのか?
「感じながら」お芝居をするには、どんなレッスンが有効的か?
などが、知識と実践をもとに、分かりやすくまとめられています。
②与えられた状況を知る

なんとなく表面的でパターン化されたお芝居になってしまう
そんなお悩みがある方は「与えられた状況」を明確にできていないということが多いです。
与えられた状況を考える時に役立つのが「4つのW」であると、この本では書かれています。
WHO(誰が)?
WHEN(いつ)?
WHERE(どこで)?
WHAT(何を)?
演技に入る前に、これらを明確にしておくと、より新鮮で、リアルな演技に近づくことができます。

実際に考えてみると、表現の幅がグッと広がることに気付くと思います。
例えば「ファミレスでパスタを食べている」というシーンがあったとします。
誰が?
大人なのか、子供なのか。
神経質な人なのか、大雑把な人なのか。
健康な人なのか、不健康な人なのか。
いつ?
朝なのか、昼なのか。
平日なのか、休日なのか。
夏なのか、冬なのか。
どこで?
都会のファミレスなのか、地方のファミレスなのか。
広いお店なのか、狭いお店なのか。
何を?
今、この瞬間何をしているのか?
何が起こったのか?
など。
これらの背景によって、お芝居は全く変わってきますよね?
「4つのW」をイメージすることで、パターン化されたお芝居から抜け出すことができます✨
これ以外にも、俳優がよりリアルで、新鮮で、魅力的なお芝居をするための考え方が、この本では分かりやすくまとめられています(^-^)
「演技と演出のレッスン」のおすすめポイント2つ
この本のおすすめポイントは、
❶ 知識と実践レッスンの、両面からのアプローチで、俳優の技術「感じること」「考えること」のバランス感覚を養うことができる。
❷ 曖昧なダメ出しに振り回されず、自分なりの定義にそって、やるべきことが分かるようになる。
という点です。
それぞれもう少し詳しく説明していきますね。
①俳優の技術「感じること」「考えること」のバランス感覚を養うことができる
この本で紹介されている18のレッスンでは、全て前置きで「考え方」についての説明があります。
そして、その後に「実践レッスン」が紹介されています。
頭で理解するだけでは、演技は上達しません。
また「何のためにこのレッスンやってるんだろう?」とレッスンの意味を理解していないと、いくら実践をしても身になりません。
そういう意味で、知識と実践の両面からアプローチできるようになっていて「考える」「感じる」のバランス感覚を養える一冊になっています。

演技レッスンや部活での、効果的なトレーニングを探している人にもおすすめ✨
②曖昧なダメ出しに振り回されず、自分なりの定義にそって、やるべきことが分かるようになる
演技をやったことがある人は分かると思いますが、演出や監督のダメ出しって曖昧なものが多くないですか?
「もっと心で演じて!」
「相手の台詞をしっかり聞いて!」
「計算が見えちゃってるよ。」
と言われたかと思えば、
「ここで3秒くらい間を置いてからリアクションして下さい」
「このセリフの後に、ちょっと立ち止まって、それで振り返ってもらえますか?」
と、見え方だけの演出を受けたり。
自分では「すごい気持ちよくお芝居できた!」と思っても、見ている人は感動していないという、自己満足になってしまうこともあります💧
この本を読んで、自分なりの演技の定義をしっかり見つけることができれば、

あ、今は「考える」の方が割合が多くなっちゃったのか。
もう少し「感じる力」に比重を置こう。

ここは少し間が欲しいってことは、演出は〇〇を伝えたいんだな。
じゃあ、この感情を少し強めに出してみよう!
など。
「考える力」「感じる力」のバランスを取りながら、ダメ出しに柔軟に対応できるようになります。
こうなってくると、曖昧なダメ出しに悩むことなく、シンプルに何をすれば良いのがが見えてきますよね✨
【おまけで2冊】おすすめの鴻上尚史さんの演技本
おまけであと2冊、鴻上尚史さんの本を紹介します(^-^)
俳優になりたいあなたへ
発声と身体のレッスン
①俳優になりたいあなたへ【初心者向け】
実際に、著者が会った高校生2人との実話がストーリー形式でまとめられています。
「どうしたら俳優になれるか知りたいんです!」
という高校生2人の質問に、著者が答えていくのですが、
俳優って具体的にどんな仕事なの?
台本をもらったら俳優はなにをするの?
テレビ、映画、舞台、それぞれどんな違いがあるの?
いい俳優とは?
俳優を続けるために大切なことって?
など、すごく分かりやすく、そしてリアルにまとめられています。
これから俳優を目指す人は一度読んでおくと、俳優という仕事を目指す「覚悟」が決まる一冊だと思いますよ✨
この本の詳細はこちら
②発声と身体のレッスン
演技初心者も、経験者も読んで損はない基礎の基礎本!
そもそも「正しい声」「正しい体」とはなんなのか?
演技をする上で重要なリラックスした状態の身体
そこにアプローチするための方法が分かりやすくまとめられています。
この本の詳細はこちら
まとめ:「演技と演出のレッスン」は演技力を向上させたいと思った時にぜひ読んでもらいたい一冊
今回は、演技力をUPしたい人におすすめの本
「演技と演出のレッスン」
について紹介しました。
この本の最後で、鴻上尚史さんも言っていますが、演技が上手くなるには「場数を踏むこと」が一番大事です。
とにかくやってみること。
場数を踏むこと。
そうやって、場数を踏んでいくと、いろんな悩みにぶつかる時が来ます。
自意識が邪魔をする。
なんとなく表面的な演技になってしまう。
頭で考えすぎてしまう。
感じたままにやりすぎて同じお芝居が繰り返せない。
そんな時に、この本を開いてみたら、解決の糸口が見つかる、そんな一冊になっているんじゃないかなと思います✨
演技に行き詰まってしまった方、もっと深みのある芝居ができるようになりたい方。
そんな方はぜひ読んでみて下さい(^^)
\ 今回紹介した本 /
あわせて読みたい
お悩み別「俳優におすすめの本」をまとめているので、参考にどうぞ(^-^)
最後まで読んでいただき
ありがとうございます
これからも役者に役立つ情報発信をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします♥
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