【魂の演技レッスン22】俳優なら一度は読むべきおすすめの演技本
- 2021.04.06
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- 演技レッスン・練習方法
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こんにちは、役者&ブロガーのシカ子です。
今回は、おすすめの演技本
「魂の演技レッスン22」
について紹介します。

演技について勉強したいけど、どんな本がおすすめかなー?
というあなたに。
「魂の演技レッスン22」は、役者なら一度は読んで欲しい一冊です。
こんな人におすすめ!
役者を目指すにあたって大切にすること、根本の部分を知りたい。
ハリウッドでの演技トレーニングに興味がある。
もっと深みのある演技ができるようになりたい!
最近、スランプ気味。演技で行き詰まっている。
この本は「こうすれば上手に見えますよ」というテクニック的な内容ではありません。
俳優としての在り方、物の見方など、マインド的なことが書かれていて、ステラアドラーの厳しくも熱い、愛のある言葉が胸に刺さる一冊です。
演技本「魂の演技レッスン22」の著者は?
著者は、ステラ・アドラー。
アメリカの女優であり、1947年に自身の演劇学校を設立しました。
演技指導の第一人者として活躍した方です。
「20世紀最高の俳優」に選出された、マーロン・ブランドも教え子の1人で、この本も、マーロン・ブランドによる序文から始まります。
「魂の演技レッスン22」に書かれていること
この本は、クラス1〜クラス22までの授業のような構成になっていて、ステラ・アドラーの語り口調ですすめられていきます。
まるで、一緒にレッスンに参加しているかのような感覚で読むことができます。
①俳優を目指すとはどういうことなのか?
最初の章では「俳優を目指すとはどういうことなのか?」というマインド的な部分に多く触れていて、演技初心者の方も背筋がピンとするような言葉が多く並べられています。
ある日突然スターにを夢見ている人へ
レッスンを休みたくなったら
他人と自分を比べてしまう時は
レッスンがない時にはどう過ごす?
成功の証が欲しくなったら
「チャンスを得たい」と焦ったら
などについて、ステラ・アドラーの言葉で書かれています。
そのうちのいくつかの言葉を引用させていただきます。
「若いうちにデビューして有名になれ」と社会は言う。
その声に従っていたら、みじめな結果になりますよ。
皆さんはのびのびとしていて繊細で素晴らしい。
若くて可能性がある。
芸術を背負って立とうかという若者なのに、社会はそんな志などどうでもいい。
皆さん、危ないところにいるのよ。
なのに、「自分だけは違うぞ、成功するぞ」と思っているから、罠に気付かない。
「役をもらっても、もらわなくてもいい。私は女優。自分の力量を知っている。あなた方にチャンスをもらわなくても生きていける」皆さんも、そう言えるようになってちょうだい。
「魂の演技レッスン22」p16より引用
このレッスンの最終回には、こう言えるようになっていなくてはダメよ。
「私の人生は私のもの。どこにいても、私のもの」そう言えるようになってちょうだい。
俳優の仕事は、他人から与えてもらうのではありません。
お金のために仕事をする時は必ず、自分の成長のためになることを見出しなさい。
時間を区切れるかどうかよ。
そこに違いがあるの。
とにかく何にでもキャスティングされたがる人と、人生を生きながら役を演じる人との違い。
~中略~
誰かに見出されての成功なんて、あっけなく崩れます。
自分の人生なのに、他力本願すぎるわよ。
生きている限り自分の足で歩きなさい。
あなたは俳優。
人生のすべてを自分で舵取りしなさい。
「魂の演技レッスン22」p16~17より引用
②「見る」というエクササイズ
その後に、様々なエクササイズも取り扱いながらレッスンが進んでいきます。
すぐに台本を扱うことはせず、
まずは「見る」ことから全てが始まる
とステラ・アドラーは言っています。
あなたが何かを見る。
それを伝えるために、言葉を使う。
言葉だけを言おうとしても、意味をなさない。
何かを見て、初めて何か言いたくなる。
だからセリフだけを勉強したり、丸暗記することは全く役に立たないんです。
あなたが話そうとする思考や物事を殺すことになります。
「魂の演技レッスン22」p50より引用
演技を始めたばかりの時は「セリフを言うことが演技だ」と思いがちですが、
見る→感じる→話すなどアクションを起こす
という順序がステラ・アドラーの考え方です。
それと同様に「その時の感情を作ろう、思い出そう」というのも、少しステラ・アドラーの考えとは異なっていて、
見る(目に見えるように想像する、心の目で見る)→感情が生まれる→アクションを起こす
という流れになります。
だから、まずは「見る」ことから全てが始まるんですね。
俳優としての物の見方とは?
感情を思い出すより大事なことは?
目にみえるように想像することの大切さ
台詞を覚える前にやるべきことは?
など。
他にも、俳優に必要な身体、声、想像力に触れた章もあります。
イマジネーション、想像力を豊かにする
演技者としての筋肉を作る
身体と声のコントロールを身に付ける
③テキスト理解・役作り
中盤になってやっと、テキスト理解や、役作りについてのクラスが始まります。
誰を演じても同じになってしまう人へ
脚本にとらわれないために
人物の性格を演技に反映したい時は
役に合わせた衣装をつける
など、少しづつ実践的な内容が書かれています。
正直、後半は「スタニフスラスキイと新しいリアリズム」「人物の階級を演技に反映させる」など、どんどん複雑になっていくので、一度読んだだけで、全てを理解するのは難しいなぁという印象です(^^;)
それでも、芝居に行き詰まった時、悩んだ時には、該当する項目を読めば、きっとヒントになる言葉が見つかるはずです✨
これから演技を始める方も、長年演技を学んでいる方も・・・。
読む時によって心に響くポイントは違うかと思いますが、演劇の根本、芯の部分は変わることのないものですよね?
なので、俳優を目指すなら一度は読んでほしいですし、一生使える演技本です。
【おまけ】演技上達におすすめの本2冊
おまけで2冊、演技に関する本を紹介します。
❶ 発声と身体のレッスン
❷ 演技と演出のレッスン
①発声と身体のレッスン
鴻上尚史さんシリーズで、演技初心者も、経験者も読んで損はない基礎の基礎本!
そもそも「正しい声」「正しい体」とはなんなのか?
演技をする上で重要なリラックスした状態の身体
そこにアプローチするための方法が分かりやすくまとめられています。
この本の詳細はこちら
②演技と演出のレッスン
演技で悩んだ時に、一度は読んでほしい!
「知識」と「実践」の両面からのアプローチで、俳優の技術「感じること」「考えること」のバランス感覚を養うことができます。
「演技力」ってそもそもなんだろう?
表面的な演技から抜け出すには?
演技力を上げるために、具体的にどんなレッスンをしたらいいの?
スタニスラフスキー・システムをベースに、作者の鴻上尚史さんがアレンジを加えたレッスンが、全部で18コ紹介されています。
演劇部やワークショップでの、シアターゲームやレッスンを探している方にもおすすめです。
この本の詳細はこちら
まとめ
今回は、おすすめの演技本「魂の演技レッスン22」の紹介をしました。
ステラ・アドラーのレッスンは「こうしたら俳優になれますよ!演技が上手く見えますよ!」というテクニック的な教えではないと思います。
俳優を目指すならどうあるべきか?
役を演じるとはどういうことか?
というマインド的な部分が多いです。
だからこそ、嘘っぽい演技、表面上での演技ではなく、リアリティのある人物作りに役立てることができるんじゃないかなと感じました。
気になる方はぜひ読んでみてください(^^)
\ 今回紹介した本 /
あわせて読みたい
お悩み別「俳優におすすめの本」をまとめているので、参考にどうぞ(^-^)
最後まで読んでいただき
ありがとうございます
これからも役者に役立つ情報発信をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします♥
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